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医療メカトロニクスバックナンバー一覧へ >>
病院で何気なく目にする様々な医療機器、その仕組みや原理等を分かりやすく解説します。
(解説者:医師 北村 大也)
第6回
『医療用超音波』
連載7 ― 「超音波検査の原理(その3)―カラードプラ法―」
(掲載日: 2007.08.24)
<< 連載6 「超音波検査の原理(その2)―超音波の欠点―」
心臓や血管の血液の流れを超音波診断装置のディスプレイ上で見えるようにしたのが「カラードプラ法」です。プローブに「近づく流れは赤色」で、「離れる流れは青色」で表示されます(図17)。この表示法には「ドプラ効果」という原理が使われています。
ドプラ効果を説明するときによく引き合いに出されるのが、救急車のサイレンの音です。救急車がこちらに近づいてくるときの音は高く、通り過ぎて離れていくときは音が低く聞こえます。
(1)音源と自分が静止している場合(図18-a)
(2)音源が自分に近づいてくる場合(図18-b)
(3)音源が自分から離れる場合(図18-c)
それぞれのときに聞こえる音の周波数を考えてみます。
周波数は1秒間当たりに自分の耳に届く音の波の数です。周波数が高い場合に音は高く聞こえ、周波数が低い場合に音は低く聞こえます。[音波の速さ=周波数×波長]と表されて音の速さは一定なので、音の波長が短いとき音は高く聞こえ、音の波長が長いとき音は低く聞こえるとも言えます。
(1)の場合に比べて(2)では波長は短く、(3)では波長が長くなります。このため聞こえる音の高低が変わります。これがドプラ効果です。
カラードプラ法では、この周波数の変化を処理してディスプレイ上にカラーで表しています。
超音波の様々な性質を利用して、超音波診断装置は人体の中を見ることを可能にしています。診断用超音波の強さでは人体への影響がほとんどないのも、レントゲンやCTに比べて有用な点です。
また、その場にてリアルタイムで、臓器の振る舞いを見ることが可能なのもすばらしい点と言えるでしょう。しかし、良い画像を得るためには熟練した手技が必要な検査でもあります。
<POINT!>
※
ラードプラ法とは、ドプラ効果を用いて体内(臓器内や血管内)の血流の動きをリアルタイムでカラー表示する方法。
連載8「超音波による治療」 >>
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